オッサン再起動中(まだ?)

離婚、離職、溺愛してた愛犬とも離れ、終活に悩む男の日々

彼=愛犬クロスケと僕

 雲ひとつない晴れた日。今日もせっせと自宅荷物の整理と掃除を続けていた。今月はそんなことをしながら、ずっと気持ちが沈んでいる。建て直して10年、愛犬クロスケと暮らして5年の我が家を離れるのは、とっても辛い

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なぜ彼が写ってないのか今でも信じられない

愛犬クロスケと出会ったキッカケ

 もう一年以上会えない、、、というより何故か会わせてもらえない愛犬クロスケは関西で生まれた。元嫁さん親族が飼うワンちゃん夫婦から生まれた5匹兄弟のうちの一人だ(敢えて一人と書きます)。

 「5匹も生まれたんだけど、1匹いらない?」どうやら親族から、そんな風にお声がけがあったらしい。正直僕は飛びついた。なぜか。愛に飢えていたからに他ならない。

 元嫁さんとは随分前から家庭内別居。ハッキリと認識できたのは我が家を大きく建て替えてからだ。仮住まい先から真新しくなった我が家に戻り、夫婦の寝室を作ったにも関わらず、何かと理由をつけて一緒にはいられないと拒否られた。イビキがうるさいからとか、生活時間が違うからとか。そんなの単なる言い訳にしかすぎないのは誰だって分かる。要は僕と過ごしたくないのだ。建て替えるまで分かってなかった僕はバカだった

 夫婦用の寝室を元嫁さんに明け渡し、二人いた子供達はそれぞれの部屋。僕は彼らと2レベル違う屋根裏で暮らした。朝食と夕食の時間以外、家族と交流が無い日々。そんな時間が3年経った頃の5匹話だったのだ。

 実は僕は犬が大好き。しかし、子供の頃に愛犬をマラリアで亡くしている。あまりに悲しくて、もう二度と犬は飼うものか!そう思った。淡々と愛犬の亡骸を処理する父親の姿を見て、彼と僕の関係まで壊れた。普通だった親子は、その日を境に他人化に向かった。それほど、僕は当時の愛犬を愛していたのだ。

 夫婦や家族が健全なら、ワンちゃんをもらい受けることは無かったかもしれない。しかし、僕の心は荒んでいた。元嫁さんからも子供たちからも相手にされず、誰かの愛を求めていたのだ。もちろん、彼らには違う言い分があるのも知っている。しかし当時は何一つ気づけなかった。ただただ、無償に誰かと毎日一緒にいたいと考えていた。大袈裟にしか聞こえないだろうが、ワンちゃんもらい受け話は、僕に生きる希望を与えてくれるほどのインパクトだった。

 後にクロスケと名付けた真っ黒い彼は、親族の車に揺られ遠く関西から荒んだ我が家にやってきた。僕が数年ぶりに「愛」という気持ちを持つ始まりの時になった。

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どう見ても「人」でしょ!!

今の家の思い出

 今年、我が家を新築して10年を超えた。そう、僕の家族はこの家に10年も住まなかったのだ。今や寿命は100年と言われ、木造住宅も100年耐久建築が常識らしい。しかし、元家族がこの家で暮らしたのは僅か9年だ。それ以前の親戚から譲り受けた古家のことなど子供達は覚えていないだろう。4畳半の部屋が基準でアチコチきしんで隙間風が吹いた。時代らしからぬ暮らしを何とかしてあげたいと思い、相当無理して建て替えを決めた。しかし、彼らは9年で去った。

 正直、家族との団欒は記憶にない。元嫁さんから拒否されて荒んだ僕は、たぶん子供達にも必要以上に厳しかっただろう。勉強しろ、早慶以下は認めない。そう怒鳴り続けていた自分の父親と自身が被った。気づけば、子供達は何か問題を起こした際のヘルプにしか僕を尋ねなくなり、親子というよりは被疑者と弁護士のような関係でしかなかった。思えば、建て替えと同時に、僕は家族というかけがえのない財産を失っていたのだ。

 そんなことも理由か。新しい家での楽しい記憶は愛犬クロスケと過ごした日々しか無い。暮らしに慣れるまでベタベタに相手をし続けた。去勢のための首輪っかを装着された期間は、できるだけ気を紛らわそうと四六時中散歩に連れ出して遊び相手を努めた。家の中で一緒なら、100%クロスケと遊んだ。朝の散歩から朝食、帰宅してからの遊び。そして就寝まで、常に彼と話をした。

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唯一の家族であり、友達であり、彼氏でもある

 決して勘違いではない。彼と僕は会話が成り立っていた。口数は少ないが、彼が何を伝えたいか全て分かったし、僕の言うことを彼は100%理解していた。彼と僕は同じオスではあったが、二人で一つの関係になっていた。

 引っ越しの準備が進む我が家のあちこちで思い浮かぶのは愛犬クロスケとの日常だけだ。語り合いながらグッスリ寝た屋根裏。オヤツや食事を中心に笑って過ごしたリビング。飛ぶように駆けた階段。イヤイヤな風呂場。外が見たいと毎日抱っこさせられたバルコニー。雨の日も嵐の日も散歩に出かけた玄関。この家には、彼と僕の思い出が詰まっている。

僕が見据える将来

 今、下町に借りているマンションは、ペット飼育禁止だ。愛犬クロスケを取り戻せないと見越して借りている。だから、その場所に住む期間を握っているのは彼でしかない。彼が戻ってこれるなら、すぐさま僕はペット飼育可なところへ引っ越すだろう。その理由には利便性も友人も収入源も何一つ障害にならない。問題は、それがいつなのか?だけである。

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僕は最期の時を彼と迎えると信じている


 いちおう僕にも計画はある。それは、ある地方の土地に「人間も住める犬小屋を建てる」だ。今の家にしろ賃貸マンションにしろ、愛犬クロスケには住みにくい街。彼が行きたがる場所は何かと制限があり、シャットアウトされる。僕と同じく好奇心旺盛な彼は、前に進めないことにとても悲しんでいた。だからか、離れ離れになる前から彼が自由に過ごせる街に移り住むビジョンはあった。家族は去り、家も捨てるわけだから、もはや躊躇する理由は無い。

間に合わせたい

 今、彼は6歳ちょっと。人間で言えば40代半ばと言ったところか。しかし、人間同様犬も長生きできるようになり、長寿の犬は16歳=110歳以上頑張ることもある。彼と僕と、どっちが先に逝くか分からない。

 彼を連れて行った元嫁さんは、そのうち音をあげると僕は思っている。誰かを頼ってしか生きていけない彼女が独りになった時、愛犬クロスケのお世話をする余裕は無いはずだから。なにせ彼女にとって愛犬クロスケは「たかが犬」なのだ。クロスケを懸命に相手する僕に向かって「たかが犬よ」と呆れながら言った彼女のセリフを一生忘れることはない。

 僕は我慢に我慢を重ねて、元嫁さんが愛犬クロスケを戻してくれる時を待つ。

 

 

※ここで示している内容は、私個人が自由勝手に考えたイチ意見でしかないことをご了承ください

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